白髪染めとカラートリートメントでは、色のつき方と、色を保つための手間が違います。1回の染毛でしっかり色を入れたいなら白髪染め、少しずつ色を重ねながら手入れしたいならカラートリートメントを比較の候補にできます。ただし、希望する仕上がりだけで使用できるかは決まりません。過去のかぶれや今の頭皮の状態、商品の使用上の注意も確認します。
この記事でいう「白髪染め」は、医薬部外品の酸化染毛剤です。「白髪染め」という言葉は白髪を色づける商品の総称にも使われるため、商品名だけで区分を判断しないでください。カラートリートメントは、化粧品の染毛料として扱われます。日本ヘアカラー工業会の製品分類
過去にヘアカラーでかぶれたことがある人は、酸化染毛剤を使わず、再使用のためのパッチテストもしないでください。 今、かゆみ・赤み・腫れなどがある場合は使用を中止し、別の商品を重ねず医療機関へ相談してください。工業会の使用前の注意と、白髪染め後に頭皮症状があるときの確認ポイントを先に確認しましょう。
白髪染めとカラートリートメントは、何が違う?
酸化染毛剤は、髪の内部で染料を反応させて色をつけます。カラートリートメントは、色素を髪の表面や表層部に吸着・浸透させ、使いながら色を重ねる方法です。カラートリートメントを「外側に色がつくだけ」と捉えるより、色のつき方と使い方が製品ごとに違うと考えると選びやすくなります。日本化粧品工業会のしくみ解説
| 比べること | 白髪染め(酸化染毛剤) | 白髪用カラートリートメント |
|---|---|---|
| 商品の区分 | 医薬部外品の染毛剤 | 化粧品の染毛料 |
| 色のつき方 | 1回の染毛で髪の内部に色を定着させる。仕上がりは髪の状態や商品で異なる | 繰り返し使い、色を重ねる。色づきを感じるまでの回数や濃さは商品・髪質で異なる |
| 黒髪の明るさ | 脱色する働きがある。選んだ色や染毛履歴によって仕上がりが変わる | 黒髪を脱色して明るくする働きはない |
| 色の残り方 | 染めた部分に色が残る。新しく伸びた根元は別に考える | 洗髪などで徐々に色落ちするため、色を保つには継続的な手入れが必要 |
| 続けるとき | 根元と、すでに染めた部分を分け、次に染める範囲・間隔を考える | 使用開始時と、その後の維持の方法を商品ごとに確認する |
| 使用前の確認 | 使用できない条件を確認したうえで、毎回、染める48時間前から説明書どおりのパッチテストを行う | 使用前テストの要否・方法も商品ごとに確認する。化粧品という区分だけで不要とは判断しない |
区分と作用は日本化粧品工業会、使用前の確認は日本ヘアカラー工業会のパッチテスト案内に基づきます。表の「続けるとき」は、比較するときに整理しておきたい項目です。
色もちと、根元が気になるまでの期間を分ける
染めた部分の色が残っていても、新しく伸びた根元には白髪が見えてきます。そのため、「色が長く残る」ことと「次の手入れまで何もしなくてよい」ことは同じではありません。
カラートリートメントも、使い始めに色を重ねる手間と、その後に保つ手間を分けて考えましょう。商品ごとの使用回数の案内を、すべてのカラートリートメントに当てはめることはできません。色の残り方を詳しく知りたい場合は、カラートリートメントの色もちの考え方へ進んでください。
整えたい日と、続けられる手順で考える
「次の予定までにどう見せたいか」と「その後、どの作業なら続けられるか」を分けると、比較する方法を絞れます。以下は希望を整理する目安で、使用の適否を判定する表ではありません。
| 希望・気になっていること | 比較の候補 | 次に確かめること |
|---|---|---|
| 1回の染毛で白髪にしっかり色を入れたい | 酸化染毛剤 | 使用できない条件に当てはまらないか。必要な使用前確認を省かずに準備できるか |
| 少しずつ色を重ね、普段の手入れに組み込みたい | カラートリートメント | 乾いた髪か濡れた髪か、使用開始時と維持時の頻度、使用前テストの案内 |
| 黒髪も明るくしたい | 酸化染毛剤の特徴を確認する | カラートリートメントでは黒髪を明るくできない。すでに染めた髪の明るさを変えたい場合は、染毛履歴も伝えて美容師に相談する |
| どちらを使っても手間が負担になりそう | 今は決めず、染め方を変える・やめることも考える | 色づけを続けたいか、色を入れること自体をやめたいか |
予定が近いからといって、必要なテストや使用間隔を省くことはできません。カラートリートメントも、初めて使う日に希望どおりの色になるとは限らないため、当日の仕上がりを当てにして選ばないようにしましょう。
続ける手間は、放置時間だけでなく、準備・塗布・すすぎ・乾燥・片付けまでを含めて考えます。入浴中に使える商品でも、手や爪、浴室、タオルへの色移りへの備えが必要です。掃除の負担が気になる場合は、浴室やタオルへの色移りの確認ポイントも参考になります。
使う前に確認すること・使用を見送る場合
酸化染毛剤は、過去のかぶれと今の状態を先に確認する
箱や説明書の「使用しないでください」に当てはまる場合は使用しません。過去のかぶれやパッチテストでの異常、頭・顔・首筋の傷や皮膚の異常などを確認してください。これは注意事項の一部です。手元の商品の説明書を全文読む必要があります。日本ヘアカラー工業会の表示確認
酸化染毛剤のパッチテストは、毎回、染める48時間前から行います。以前問題なく使えた商品でも必要です。テスト中に異常が出たら、すぐに洗い落とし、染毛しないでください。48時間を予定に入れられることだけで、使用できるとは判断できません。 実施方法と観察は、使用する商品の説明書に従ってください。日本ヘアカラー工業会のパッチテスト案内
カラートリートメントも、商品ごとの注意を読む
カラートリートメントには、メーカーが使用前のパッチテストを案内している商品もあります。「トリートメントだからテストは不要」「酸化染料を使っていないから自分にも安全」とは決められません。使用前テストの要否や方法、皮膚に異常があるときの注意を、その商品の表示で確認してください。工業会の染毛料についての説明
過去にかぶれた人が、自己判断でカラートリートメントへ切り替えればよいという意味でもありません。使用した商品と症状を医師に伝え、次の製品を試す前に相談してください。染毛中や直後に息苦しさ、めまい、強い気分不快などが出た場合は、すぐに使用を中止して洗い流し、直ちに医療機関を受診してください。日本ヘアカラー工業会のアレルギー反応の案内
組み合わせる前に、両商品の説明を確認する
酸化染毛剤で染めた後の色づけに使うことを想定したカラートリートメントもあります。ただし、使える組み合わせや、前後にあける期間は一律ではありません。メーカーが案内している使い方でも、別のブランドやシリーズにそのまま当てはめないでください。
確認するのは、次の3点です。
- 使う商品の正式名とシリーズが、説明書や公式FAQの対象と一致しているか
- ヘアカラーやパーマの前後に、使用を控える期間が指定されていないか
- 次に美容室で染める場合、使ったカラートリートメントと使用日を伝えられるか
例えば、LPLP エッセンス カラートリートメントの公式FAQには、美容室でヘアカラーを行う前の間隔と相談について案内があります。これは当該商品の説明で、全カラートリートメント共通の期間ではありません。LPLP公式FAQ
組み合わせれば、必ず染毛回数や費用を減らせるわけではありません。酸化染毛剤を使う回数だけでなく、追加する手入れの回数や時間も数えてみましょう。今の方法と比べるときは、白髪染めにかかる1年分の費用と時間で整理できます。
選んだ方法の比較・使い方へ進む
カラートリートメントを候補にしたら、まずは3商品の使い方と続け方の比較で、生活に組み込めそうな手順を確認しましょう。色選びは今の髪色と既染部から考える選び方、基本の作業はカラートリートメントの使い方で扱っています。
酸化染毛剤を検討する場合は、染める間隔と範囲の考え方へ。ヘアマニキュアも含めて考えたい場合は、白髪染めとヘアマニキュアの違いを確認できます。
まだどちらもしっくりこなければ、すぐに買う方法を決める必要はありません。白髪染めをやめる・変える方法から、これからの手入れを考えることもできます。
白髪染めとカラートリートメントの違いのよくある質問
カラートリートメントだけでも白髪に色はつきますか?
白髪用のカラートリートメントは、白髪を色づける製品です。ただし、色づきを感じるまでの回数や仕上がりの濃さには違いがあります。「必ず何回で染まる」と決めず、商品の説明と、髪の状態に応じた仕上がりの案内を確認してください。日本化粧品工業会の製品解説
カラートリートメントは毎日使うものですか?
全商品共通の頻度はありません。使用開始時と維持時を分けて案内する商品もあるので、手元の商品の説明に従ってください。ほかの商品の「週○回」を、自分の商品の使い方に置き換えないことが大切です。具体的な違いは商品の使用条件の比較にまとめています。
白髪染めとカラートリートメントは、どちらが安く続けられますか?
本体価格だけでは決まりません。1回に使う量、実際に使う回数、サロンを利用するかどうかで変わります。併用する場合は両方の費用がかかるため、片方の回数だけを比べず、1年分の費用の出し方で合計を比べましょう。
方法を選ぶ最初の一歩は、「どんな色づけをしたいか」と「続けられる作業」を整理することです。そのうえで商品の注意事項を確認し、条件を満たせないときは使用を見送りましょう。